2025.2.12

「京都ロータリークラブ創立100周年記念
国際奉仕事業―インドネシア日本住血吸虫症根絶事業について」

最初に白坂淳 創立100周年国際奉仕事業委員長より本事業の紹介がありました。
「日本住血吸虫症根絶事業」が何よりも意義深いのは海外姉妹クラブより本事業の更なる拡大の為に多額の協賛金を頂き、各クラブ団結の事業となったことにあります。

京都ロータリークラブ会員
竹内 宏一 君

日本住血吸虫症は、中国や東南アジアにみられる寄生虫による疾患だ。世界で最初に、日本で発見された。急性期の症状は発熱、悪寒、発疹、水様便、血便など。原虫が門脈で増えると、肝硬変を起こして腹水が溜まり、死に至る。

哺乳類の体内で作られた虫卵は糞便や尿から排泄されて水中で孵化し、中間宿主であるミヤイリガイの中でセルカリアという形態に成長する。それが、皮膚や口から哺乳類の体に入るというサイクルを繰り返す。治療薬のブラジカンテルは、虫体にしか効かない。虫卵を減らすには、私たちの取り組んでいる水田などの水路整備も非常に有効だ。

このプロジェクトがポリオ撲滅のような活動になるように、共に取り組んでいきたい。

R.I.第2650地区 国際奉仕副委員長
内田 リカコ 氏

当地区では今、国際奉仕事業としてNTDs(Neglected Tropical Diseases/顧みられない熱帯病)に目を向け、「日本住血吸虫症」の根絶を推進している。インドネシアのパルR.C.はじめWHO、保健省などのご協力を得て、この疾患が蔓延しているスラウェシ島で現状を視察した。

現地では、危険地域へ出向いて説明を受けた。枯葉の裏に付着した中間宿主の貝を実際に見た。殺貝剤を散布し、農作業小屋にトイレを設置するなど、現地の人たちも根絶対策に積極的だ。

感染者は20~30代の農業従事者が多い。水牛を使って裸足で水耕する作業が多いからだ。長靴を履けばある程度は防げるが、最も有効な予防策は、京都R.C.が取り組んでいる灌漑事業だと聞いた。整備が完了した水路も視察した。

現地の保健省のトップとも話すことができた。2030年を根絶目標に掲げているという。駆虫薬(ブラジカンテル)は国費で各戸配付している。国を挙げて予防や根絶策を強化しているそうだ。

国際奉仕活動は、国際的な組織であるロータリーの醍醐味だと思う。現地のニーズに合った支援を、継続的かつ集中的に続けていきたい。

京都ロータリークラブ
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