2024.11.6

「旧団地の逆成長-重慶民主村」
米山奨学生
王 艶蓉 さん

重慶へ旅行に行った際、特に印象に残った場所が民主村だったのです。

民主村は中国の発展過程の中で、日本との深い関わりがあり、特に戦後の歴史が色濃く反映されています。1950年に建設された民主村は、元々は兵工場の従業員とその家族のための住宅区でした。1957年には軍事生産から民生用に転換し、住民たちは食堂や商店、学校、病院などを備えた自給自足の環境で生活していました。その後、ヤマハやセイコーなど、日本企業との協力を通じて経済成長を遂げました。しかし、工場が移転した2009年以降、民主村は次第に衰退し、老朽化が進んでいきました。

2021年に民主村改造プロジェクトをスタートし、見事に復活を遂げました。改造の目標は、住民のニーズを最大限に反映させ、歴史的な価値を保存しつつ、新しい都市機能を追加することです。具体的には、建物の改修や新しい商業施設の導入、住民が利用しやすい公共サービスの提供が行われました。

民主村の改造は「有機的更新」というコンセプトのもとで進められ、解体や再建を最小限に抑え、効率的な空間利用が実現されました。住民がより快適に過ごせるような環境作りが進められました。

さらに、民主村は北、中央、南の3つのエリアに分けられ、それぞれが異なる機能を持っています。北エリアはおしゃれなカフェやバーが集まり、若者に人気のスポットとなっています。中央エリアには、住民のためのサービスが集中しており、コミュニティ食堂や教育・健康に関連する施設が整備されています。そして、南エリアは火鍋の聖地として賑わい、観光客にも大変人気があります。

改造後、民主村には380軒の個人事業主が活動しており、地域経済にも大きな貢献をしています。1日平均の来訪者数は約2万人に達し、以前のような衰退した町から、活気に満ちた地域へと生まれ変わりました。

このように、民主村は過去の栄光と現代的な改造を融合させ、住民の生活の質を向上させ、地域経済の活性化に成功しています。

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