2021.11.10

― 新会員スピーチ ―
「人類が手に入れた第4のあかり」
木下 喜隆 君

人類にとってあかりは生活していくうえで必要不可欠のものである。

あかりの歴史を振り返ると、各国にガス灯が設置されはじめた1810年代以降、約60年ごとに大きな発明がおこってきた。1879年イギリスのスワンによって白熱灯が、1938年アメリカのインマンによって蛍光灯が、そして1996年には現在のLED照明の原型となる白色LEDが誕生した。その白色LEDの開発に欠かせなかった「光の三原色」すなわち 赤・緑・青のうち青色LEDは20世紀中の実現は不可能だといわれていた。しかし、1993年3人の日本人の手によって青色LEDは生み出された。のちにその功績はノーベル物理学賞を受賞することにもなる。

こうして白色LEDが生み出されたことにより、LED光源はわずか十数年で蛍光灯の効率や、水銀灯の明るさにも追いつき追い越すレベルにまで達することができた。LEDはすでに第4のあかりとして私たちの生活の中に溶け込んでいる。

LEDの活躍の場はただの生活の中の「あかり」としてだけでなく様々な分野にも活用され始めている。すでに魚の養殖や植物の栽培では大きな実績を上げている。それだけではなく超高速点滅ができるという特性を生かした可視通信技術、医療機器や治療などの分野への展開も研究され始めている。その可能性はまさに無限である。

LEDの普及により水銀を使った蛍光灯や水銀灯は徐々にその姿を消すことになってきている。これらの光源は非常に大きな電力を使用するものも少なくなく、環境や人体にも少なからず悪影響を及ぼしていた。LEDに切り替わることで大きく改善することだろう。

光とは本来、人々の心とからだに活力を与えてくれる大切な存在である。一方で、照明は多くのエネルギーを必要とし、貴重な資源を大量に消費するなどの課題も数多く抱えていた。LED照明をはじめとする多くの機器のエネルギー効率の改善や技術革新により、快適・やすらぎ・健康・安心・安全など、人と地球にやさしい持続可能な社会のために、今後ますます貢献してくれることになるだろう。

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