2021.10.6

― 米山月間に因んで ―
「コロナの終息を待たないとしたら?」
米山奨学生
彭 悦 さん

この一年で自分に起きた変化や色々な考え、そして研究の内容と進捗状況についてお話しします。

コロナの話はもう聞きたくないと思っている方は沢山いると思いますが、今年も相変わらず「コロナ」という言葉をよく耳にする一年でした。しかも、おそらくこれからも人間と長く共存するでしょう。それを認識した上で、家族に会えないという心理的なストレスと研究スケジュールの遅れに直面した私は、コロナの終息を待とうと思わなくなりました。この「コロナ時代」をより大きいスケールで見ると、「非常時」ではなく、本当は「通常時」だと気づきました。よって、コロナの終わりを「待つ」必要はなく、今の時間を大切に「過ごす」ことこそ大切です。苦痛も希望も我慢も感動も、すべての感情を受け止めて、それらの経験から栄養分を吸収し、前向きに自分の人生を豊かにしていこうと思うようになりました。その「気分転換」をした私は、水泳と運転を習い始め、料理を作ることも楽しみになりました。休みの時間が増えたわけではありませんが、気分転換ができたおかげで、生活の楽しみが多くなって、今は毎日を元気よく過ごせています。

また、研究の内容と進捗状況についてもお話しします。私は、日本語の語彙学習の研究をしています。主に、「多視聴」(映画やドラマ、テレビ番組等を沢山視聴すること)において、「字幕」という文字情報が、語彙の習得にどのような変化をもたらすか、また、字幕の言語によってその影響がどう違ってくるかを調べます。その結果により、「多視聴」の時に字幕について何を注意して、どんな工夫が必要かを解明できます。それは、教師が映像素材を教室内に導入する際、または学習者が自分で映像素材を使って日本語を学習する際にどうしたらいいかについて重要な参考になります。

以上のように、「ちゃんと準備すれば、全てが予定通りに行ける」との確信は失ったけれど、生活の面も、研究の面も、変化に順応する力と前向きに生きる力が強くなった気がします。

京都ロータリークラブ
〒604-0924 京都市中京区河原町通御池上るヤサカ河原町ビル4F
Tel 075-231-8738 Fax 075-211-1172
office@kyotorotary.com

Copyright (c) 2007 Rotary Club of Kyoto. All Rights Reserved. Site Map