2022.4.13

「ロータリーの本質エッセンシャルロータリー」
R.I.元理事、京都R.C.会員
千 玄室 君

皆様から白寿を祝っていただき恐縮している。誕生日が4月19日で、ポール・ハリスと同じ日なので、ロータリーにご縁があるのかなと思う。

私は1954年に京都南R.C.に入会し、ロータリー徽章を付けた日から、「ロータリーの本質」について考えてきた。ロータリアンとして何ができるのか、奉仕とは何か。そう考えるときにも私は常に、戦争で亡くなった仲間のことを思う。

昭和19年、文系大学生の徴兵猶予制度がなくなり、同志社大学の2年生だった私も徴兵された。筑波の海軍航空隊に配属され、戦闘機乗りとして訓練を受けたが、「背が高すぎて操縦室が窮屈」という理由から、大型機に乗ることになった。

このため、徳島の航空隊へ転属になり、昭和20年3月に編制された「白菊特別攻撃隊」の一員になった。夜間に沖縄へ向けて進発するための特殊訓練を受け、出撃命令を待った。同年5月21日早暁、徳島から30機が進発したが、私には待機命令が下った。

私は出撃前の仲間たちに茶を点てた。彼らは「千よ、うまいなあ」と一服のお茶を飲み、出撃して行った。学業なかばで徴兵された同期のうち421柱が、わずか2年近くの訓練を受けて、命を捧げた。

待機命令により命を長らえることになり、私は忸怩たる思いで今日まで生きてきた。なぜ生かされたのか。戦友たちの思いを背に負うて、私は何をしてきたか、常に自問している。

今、ロシアのウクライナ侵攻が続いている。なぜ戦争は繰り返されるのか。戦争は世界経済にも影響を及ぼす。コロナとの戦いも続く。将来的には深刻な食料危機も懸念される。

考えるべき問題が山積するなかで、今こそ、ロータリーの本質を再確認しなければならないと思う。それは決して、憐れみで手を貸すようなことではない。わが事として問題を受けとめ、職業を通じて他の人のために手を貸す。世界中のすべての人が本来あるべき暮らしを取り戻せるよう、互いに手を貸し合う。それがロータリーだ。最も世のためになることを考え、目的を果たせるよう計画して、迅速に行動に移さねばならない。

世の中のために活躍できる行動的なロータリーをつくるために、私たちにできることを真剣に考えたい。これが私の大きな念願だ。

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