2021.8.18

「クラブ奉仕の延長線上に奉仕活動あり」
高野山真言宗高家寺 住職
岐阜エトスR.C.直前会長
北川 宥智 師

ロータリークラブは、相互扶助の親睦団体として始まった。現在も、親睦を目的に入会する人は多い。親睦とは馴れ合いではない。互いに信頼できる関係を築くことだ。その親睦や相互扶助の先にあらゆる奉仕活動がある。

昨今、国際ロータリーは社会奉仕を優先する方向に傾きつつある。世界では会員20人ほどのクラブが多い。人数が少ないから、クラブ内で多様性を保つことは難しい。多くの活動はできないので、まず外向きにアピールしやすい社会奉仕を、という動きになりがちだ。R.I.全体として、社会奉仕が主流になりつつある一因だと思われる。

一方で、京都R.C.のように会員数が多く伝統あるクラブでは、クラブ奉仕にウエイトがかかっている。それがロータリーの王道だと思う。クラブ奉仕はメンバーへの奉仕だ。そのロータリアン一人ひとりは、家族、取引先、親戚、友人など多くの人とつながっている。ロータリアンは、縁ある人たちの代表だと考えれば、クラブ奉仕はそのまま社会奉仕さえも内包している。

これを明確に示したのが「決議23-34」の第1条だ。「超我の奉仕」の「超我」は「無我」ではない。一人ひとりの自己があり、その延長線上に「超我」がある。「情は人のためならず」という言葉にも通じる。自他の枠を外すことであり、ロータリーの独自性がそこにある。

私の専門である仏教の視点から言うと、『般若心経』に「五蘊(ごうん)あり」とされているように、人間は肉体と精神で成り立っている。肉体は食事と呼吸でつくられる。週に一度、ロータリーの例会に集まり、皆で同じ素材の食事をとり、同じ空気を分かち合う。あるいは、同じ卓話を聞き、学び、議論をする。それによって、皆が同じ肉体や精神を持ち、ともに進むことにつながると考えることができる。

クラブ奉仕のなかで、大切にして欲しいのは季節感だ。京都には、季節ごとの祭りや伝統行事が今に受け継がれている。季節の行事にこそ、ロータリーとして大切にしたい、接待、奉仕の基本があると私は考えている。

クラブ奉仕のなかでメンバー同士が交わり、先輩方から多くを学び、それを自分の職業や日常生活のなかで活かす。これがロータリーの醍醐味だと思う。

京都ロータリークラブ
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