2020.10.7

― 創立95周年記念講演 ―
「100年に向かって」
R.I.元理事
千 玄室 君

わが京都ロータリークラブは1925(大正14)年10月7日に誕生した。創立にあたっては、後に京都商工会議所の会頭も務めた、生糸商の竹上藤次郎さんを中心に準備が進められた。チャーターメンバーとして個性豊かな25人を集め、建築家の武田五一さんが初代会長に就いた。

創立の翌年のエピソードとして、英国皇太子(後のエディンバラ公)の例会来訪がある。お忍びで京都を旅行中だった皇太子が、水曜日に京都R.C.の例会があることを知り、予告なしに例会を訪問された。「無上の光栄に感激しながら、みな大慌てでお迎えした」といわれている。

1929(昭和4)年には、日本に設けられたばかりの第70地区「第1回年次大会」で、初代ガバナー・米山梅吉翁のもと、京都R.C.がホストクラブの大役を務めた。輝かしい足跡の一つだと思う。

父(14代千宗室)が残してくれた1929年の京都R.C.の週報から、当時の様子をうかがい知ることができる。当時は「アメリカのR.C.にならって、お互いをニックネームで呼ぶ」という取り決めがあった。大丸の下村正太郎さんは「ショウチャン」、父は「ソウショウ」と呼ばれていたようだ。週報にはロータリーの都々逸まで載っていて、ロータリーを楽しもうとあれこれ工夫していた様子がわかる。

さらには、「よき友をつくろう」「心から奉仕をしていこう」「国際的な視野を広げよう」「ロータリーで、寛容、忍耐、礼節を養おう」といったクラブのモットーが折にふれて記されている。社会や企業のリーダーとして、大きな器量や、先見の明を示せる力を、ロータリー活動を通じて養う。それを当時から目指してきたのだと思う。

メンバー同士が、互いの仕事を認識し、激励し合い、助け合っていく。それがロータリーの魅力であり、ロータリーが世界中で発展した大きな理由でもある。だからこそ、クラブ例会への出席が重視される。人の話を聞いて、気づかされることは多い。私は例会のたびに、何か一つは学んで帰りたいと考えている。その積み重ねによって、自分の生き方について深く考え、自らの存在価値を見出していくことができると思う。

創立95周年を心からお祝いしたい。さらに100周年に向かって、皆さまと共に歩んで行きたいと願っている。

京都ロータリークラブ
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