2020.1.15

「課題解決先進都市・京都へ!新たな改革挑戦!」
京都市長
門川 大作 氏

市長に就任して12年。まもなく3期目の任期満了を迎える。1期目をスタートした2008年当時、私は景気回復を前提とした130項目の公約を掲げた。ところがリーマン・ショックが起こり、初年度は過去最大の税収減。行財政改革等を断行しながら、公約の99%を実現することができた。

2期目以降も様々な課題の解決に取り組んできた。同和行政の改革も大きなテーマだった。15カ所の隣保館を廃止し、市民誰もが使える民営の「いきいきセンター」が誕生した。さらに崇仁地域には京都市立芸術大学が移転する。そこでは、科学、テクノロジーと芸術を融合した新たな価値が創造されることになる。企業のスタートアップも支援する一大拠点ができあがる計画だ。

最近は、外国人観光客の急増等による、マナー、混雑、急増した宿泊施設などの問題が「観光公害」といわれている。この問題については昨年、総点検をし、課題解決に向けた50項目の取組を進めている。例えば「三つ(季節・場所・時間)の分散」を目指し、混雑の緩和に成果を挙げてきた。京都は「観光も大切にしてきたまち」ではあるが、私は常々「京都は観光都市ではない」と言っている。お寺や神社、文化や芸術が観光資源として評価されるのは、そこに市民の暮らしの美学、生き方の哲学が息づいているからだ。市民の暮らしを根本に置いた観光でなければならない、と考えている。

国連が2015年に採択した「SDGs」(持続可能な社会に向けた世界共通の17の目標)についても積極的に取り組んでいる。日本経済新聞による「持続可能性先進度調査」では、全国815の市・区の中で京都市が1位になった。

20年前、「京都市基本構想」をつくった当時の京都は、「産業や観光の伸び悩み」「工場や大学の流出」「文化の創造力と発信力の低下」など危機的状況にあった。それが今では、民間シンクタンクの「都市特性評価」で2年連続「総合力1位」の評価をいただいている。市民ぐるみの取組の成果だと思う。

大切なのはこれからだ。「観光公害」はじめ新しい課題が山積している。京都の特性を活かし「問題解決先進都市・京都」を実現して行きたい。市民の皆様と建設的な議論を重ね、京都の未来のために新たな挑戦を続けたいと考えている。

   

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