2019.11.13

「現代の書に挑む」
書家
川尾 朋子 氏

私は、小学6年生で重いアトピーを発症し、中学・高校の時には学校を休みがちでした。そのような時も私は書道に支えられてきました。大学卒業の時に、書の道に進もうと決心しました。

最近は、いろいろとお声掛けをいただいて、活動の場が広がっています。京都新聞140周年記念のCM、コカコーラ社のCM、ラグビーW杯のオフィシャルムービーにも出演しました。京都駅中央口の左手には、私の書いた「京都」の文字が掲示されています。たくさんの人に作品をみていただけることを大変うれしく思っています。

書道には、「文房四宝(ぶんぼうしほう)」――筆、墨、硯、紙の四つの宝が使われます。これは2000年前から変わらず、書かれた文字は長い歳月を経ても消えずに残っています。伊勢神宮などの大事な文書は現在も、文房四宝を使って記されます。

書は、数千年前の作品であっても、どこから書き始めてどこで書き終わったかがわかります。この点が絵画との大きな違いです。書は、二度書きができない一発勝負の芸術です。人生と同じで後戻りはできません。そこが書道の苦しさであり、楽しさでもあると思います。

技術を磨くためには「臨書」をします。古典の名筆を手本に、筆づかいなどを学びます。そうして勉強を続けながら、独自の作品創りにも挑戦しています。

「人文字シリーズ」は、刻々と変わっていく自分を書と一緒にとどめたいと思うようになり、取り組んだ作品です。等身大の文字を書き、寝転がって私自身も文字の一部となり、写真に収めます。「HITOMOJI PROJECT-WOMAN-」という試みもその一環です。ひとりの女性の人生観や今の心境を表す漢字を1字選んで書き、その人自身も書の一部として収まってもらいます。世界各国の女性がどのようなことを考えて暮らしているかを知りたい、という私の興味から始まったプロジェクトです。出来上がった作品が、女性と男性がどうすればうまく共存していけるかについて考えるきっかけになれば、と願っています。

(書道 実演後に)「奉」の字に、皆様の素晴らしい活動がこれからも続き、広がりますようにという思いを込めました。ありがとうございました。

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