2019.11.6

―新会員スピーチ―
「Away・ゲームの四半世紀」
(公財)国立京都国際会館 館長
内田 俊一 君

都市行政に携わりたくて建設省に入った。志に反して40年の国家公務員生活の間に都市行政を担当することは一度もなく、どころか公務員生活の半分、20年間は建設省と全く異なるAWAYグラウンドでの仕事となった。それはそれで刺激的だったと感謝している。

入省8年目に千葉県庁に出向。最初のAWAY・ゲーム。知事特命事項の事業化が仕事。コンベンションやメッセという人の流れを巻き起こす拠点が注目され始めた時代。これを中心にした街づくり(幕張新都心事業)をと知事に提案し承認を得た。構想を国の役所に説明して回った際のある省の担当者の反応は「これが東京ならね」。なぜか千葉では無理ということらしかった。この事業は成功したと思っている。東京からしかものを見ない国家公務員の判断基準の危うさを肝に銘じることとなった。

90年に1200年事業真っ盛りの京都に出向。古都の先行きへの強い危機意識が市民にいきわたっていると感じた。今、少なくとも表立ってそうした危機意識が語られることはない。京都の危機は去ったのか気になっている。

その後内閣官房へ。「内閣」制度が円滑に進むよう裏方で支える仕事。そのなかで内閣広報官時代は総理大臣の海外出張に随行という得難い経験ができた。北朝鮮にも訪れる機会があったが、空港からホテルまでの車窓から眺めたばかりで確たることは言えないもののなんとも違和感を感じさせる国という心象。

内閣府では事務方トップとして危機管理が責務。マスコミを飾る事案も経験した。こうしたときに自分としてどう判断するか問われていると実感することが多かった。

消費者庁は政権交代真っただ中での就任だったが幸い政務三役との信頼の中で仕事ができた。ただ、記者会見の道を閉ざされたのは新しい組織としてつらいものがあった。政と官の信頼関係があってこそ行政組織は動けることを痛感した。

最後のAWAYグランドとして京都国際会館にいる。日本を代表する国際会議場であるばかりでなく、日本のモダニズム建築の代表作としての魅力も伝えていきたいと願っている。

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