2019.5.22

「校庭の芝生化と京都学生祭典」
吉忠(株) 代表取締役社長
吉田 忠嗣 氏

私が青少年問題について関心をもつようになったきっかけは、あるパネルディスカッションだった。図案家の林大功(はやしたいこう)氏の依頼でパネリストとして参加し、教育関係者やスポーツの指導者と共に教育について討論をした。私は企業家の立場から、企業の求める人材について話した。すると、会の進行役を務めた女性から声が掛かって、有志の集まる教育研究会で毎年、話をするようになった。この研究会で私は、教育現場のさまざまな問題について学んだ。

教育の大切さについて意識が高まってきた頃、私は京都経済同友会の代表幹事として北欧産業視察に出かけた。どこへ行っても素晴らしい景色が広がっていた。「ゴルフ場が多いなあ」と雑談していた私たちに、ガイドさんが「あれは学校です」と教えてくれた。北欧諸国の校庭はすべて芝生だと聞いて驚いた。芝生なら転んでも怪我が少なく、緑が目にやさしい。花や昆虫と接する機会が増えて生き物を慈しむ心も育つ。芝生の景観の癒し効果は豊かな情操を育むという。

帰国してすぐに日本の校庭について調べた。芝生の運動場はあるのか。京都には1校もなかった。できれば我々の力で校庭を芝生化する運動を立ち上げようという話になった。

1校の芝生化にかかる費用は約1500万円。我々がボランティアで協力すれば約1000万円でできる。京都同友会で賛同を得て、積立金から1000万円を取り崩した。商工会議所や地域の有志からの寄付を合わせて7500万円が集まった。景気もよくなかった時期に寄せられた多額の寄付に、期待の大きさを感じた。

京都市教育委員会に相談して、芝生化の1校目は嵯峨野小学校に決まった。その後、「認定NPO芝生スクール京都」を立ち上げ、芝生の校庭を増やす活動を続けている。
もう一つ、私が関わった青少年育成事業に「京都学生祭典」がある。代表幹事を務めた時に京都同友会でまとめた「京都百年考」の目玉の一つとして、新しい学生の祭りをつくろうと提言した。10月に岡崎周辺を中心に開催され、今年で17回目を数える。学生による実行委員会を主体に運営されて、毎年、盛りあがりをみせている。

これらの事業が長く続いていくように、これからも皆様のご支援をお願いしたい。

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