2019.4.3

―新会員スピーチ―
「南座四百年の『たすき』をお預かりして」
松竹(株) 南座 支配人
藤田 孝 君

平成27年3月に新入会の後、1年後の平成28年3月に南座の耐震補強工事計画に伴う休館業務に邁進するため一旦退会。そして昨年6月に再入会させて戴きました。お陰様をもちまして昨年11月に南座を新たに開場できました事、この場を借りて御礼申し上げます。

出身は新潟県、稲作を営む兼業農家の二男坊に生まれ、県立長岡高校へ。社会福祉を学びに同志社大学に入学し、障碍者福祉・地域福祉等勉強の傍ら友人に誘われて入った学生演劇のクラブ活動に片足を突っ込み、その延長線で演劇を生業とする松竹に入社しました。田舎の親戚には、やくざな会社に入ったものだといわれました。

入社当初は洋画封切館の京都松竹座、寅さん等の邦画上映の京都ピカデリーで古き良き映画館の業務を経験した後、南座、大阪松竹座を行き来し、その後、東京・新橋演舞場勤務を経て平成24年に南座に戻り、平成26年より現職。

これより南座の歴史についてお話します。1603年、歌舞伎の祖・出雲の阿国が北野天満宮の境内で「傾奇をどり」を演じた記録が残っています。同じく歌舞伎発祥の地とされる鴨川の河原は五条の河原で演じたといわれていますが三条辺りでも舞ったとされていますので、中間の四条河原でも舞ったという事になっています。17世紀初頭に京の都に現れ民衆の人気を得たスーパースターだったのでしょう。その後、四条河原に見世物や芝居の小屋が建ち並び、四条通り北側に二軒、南側に三軒、大和大路に二軒、合計七つの芝居小屋が京都所司代板倉勝重によって官許され、その一つが今の南座の位置にありました。これを南座の発祥としています。明治、大正の南座を経て昭和4年に現在の南座が330日間の短工期で竣工し顔見世を一年も休みませんでした。今回の耐震改修工事はおよそ3年近い休館期間をいただき、昨年10月に竣工引き渡し。10月27日には四百年を記念して南座から八坂神社様までの400mを歌舞伎俳優69人がお練りをさせて戴きました。

四百年の歴史を持つ南座を次の五百年、千年へと継承発展させるべく、皆様のご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。

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