2019.2.6

―新会員スピーチ―
「闇夜に霜の降る如く」
髙野至宝堂 店主
髙野 一 君

私は家業として祖父の代より茶道具を中心に美術商を営ませていただき、三代に渡り大宗匠、御家元を始めとする裏千家様には一方ならぬお世話になっております。この度は私の仕事についてではなく、数十年に渡り自分なりに考察を重ねてまいりました事柄について徒然にお話させていただきたく思います。

テーマに掲げさせていただきました言葉は、「心で引かず 手で引かず 闇夜に霜の降るように」と言いまして、大変美しい日本語ですが、明治の頃より旧陸海軍、現代に於いては自衛隊、警察における銃の引金を弾く際の心構えとして今も教えられている言葉です。日本の警察が銃を携帯する意味は、威嚇や、弾丸が命中することによる相手の運動能力を奪う等が大まかな目的で、反対に米国をはじめとする諸外国の、相手の突進そのものを銃の威力で止める、もしくは相手自身が武装している確率の高さ故の強力な軍用銃の使用とは目的が違います。平和な日本に暮らす我々はこのようなことを理解すべきでしょう。

ここで皆様に申し述べておかなくてはいけないことは、私自身が平和主義者であり、戦争や暴力に対して断固反対の考えを常に有しているということです。その為には先人を敬い、過去の事例を検証することが絶対に必要だと確信しています。そのことを皆様にお伝えできればと思います。

又、自衛隊に話を転じれば日本は先の大戦時に700余隻の船舶を喪失しましたが、その概ね半数近くが連合軍の艦船によるもの、即ち殆どが潜水艦によるものです。今日の日本はその為、海上自衛隊の保有戦力の中でも、突出したバランスで潜水艦を保有しています。現在の自衛隊の中でも世界的にみてトップクラスなものは、潜水艦、電子戦、戦車であり、これらは全て先の大戦で遅れをとっていたものです。加えて当時、基本的に工業力が低かった我が国が、航空機の様な大量生産が必要なものに対応ができなかったという事実が、戦後の自動車産業の発展につながったと言っても過言ではありません。

現在、世界的に紛争や内戦が数多く発生しています。このことを念頭におきつつ、私たちが平和を享受しているありがたみは、過去の事例を検証、研究することによってより理解ができることでしょう。少しでも私の考えを共有できましたなら幸いに存じます。

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