2019.1.30

「漢字で綴る人生あれこれ」
遊墨漫画家
南 久美子 氏

京都新聞の朝刊に4コマ漫画を描いたのが漫画家としてのスタートでした。それはとても幸運な仕事ではあったのですが、作品を使い捨てにしている気がして、少し空しさを感じるようになりました。そこで漫画を額に入れて、作品展として巡回してみようと考えました。

作品展を神戸で開こうとしていた矢先、平成7年の阪神・淡路大震災が起こりました。「被災した人たちの癒しになれば」という新聞社の意向を受け、被災した元町大丸で大きな作品展を開きました。それをきっかけに私は、癒しの漫画を描くようになりました。

私は、漢字を擬人化して描く漫画を得意としています。「勤」「競」「謝」「覗」「宴」「酔」「歌」「志」の漢字を用いて描いたのは「サラリーマンの一日」という作品です。「病気と老化シリーズ」では、例えば「人」という漢字でストレスを表現しました。人はお互い様とは言いますが、いつもストレスを感じている人がいて、一方では、その人に寄り掛かり、いつもラクをしている人がいる。そんな現実もあることを漫画にしました。

他には、「涼」の漢字をベースに風鈴を描いて、「微風にもりんと響ける人であれ」と書き添えた作品などもあります。

「ペットからのメッセージ」という作品では、動物の姿を借りて、伝えたいことをちょっと偉そうに言ってしまおうと試みました。人に言われると腹が立つことでも、ペットが言っていると思えば素直に聞けてしまうものです。例えば、母犬のお腹に群がっておっぱいを飲む子犬たちの中に、一匹だけ子猫が紛れている絵には「気にしない 気にしない」という言葉を添えました。

自分の一生を漢字で表わすとすれば、どの一字を選ぶか、考えてみたことがあります。難しくて答えはまだ出ません。でもある時、「喜怒哀楽」の四文字があれば、人生すべての出来事を表わせるんじゃないか、と気づきました。たかが四文字で表わせる人生なら、あまり深刻に考えすぎないことも大切、と思えるようになりました。言葉に人生を乗りきるための三種の神器があるとすれば、「だいじょうぶ」「なんとかなる」「気にしない」の三つだと私は思っています。作品に込めたメッセージが一つでも皆様のお心に響いて、笑顔がひろがれば嬉しいなと思っています。

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