2019.1.23
「8年目の新会員スピーチ
―建築家になった訳―」
PLANET Creations 関谷昌人建設設計アトリエ代表
京都R.C.会員
関谷 昌人 君
京都ロータリークラブに入会した時には「大改造!!劇的ビフォーアフター」に出演した裏話をした記憶がある。今回は改めて自己紹介をしたい。
私はもともと画家志望だった。小学校4年生くらいのとき突然、絵が上手くなった。中学・高校では展覧会でも入賞して自信を深め、美大へ進学して洋画家の麻生三郎先生に師事した。卒業後はイタリアへ行く予定だったが、いろいろあって卒業と同時に結婚し、就職した。
父の紹介で小堀住研(当時)の入社面接を受けた。絵を持ってくるように言われ、数枚の絵を携えて本社を訪ねた。応接室の床に並べた裸体画を役員たちが黙って見つめるなか、「おまえ、上手いなあ。合格や」という小堀林衛会長(当時)のひと声で入社が決まった。
最初は本社の設計部でパースを描いた。京都支店に配属になると「美大で絵を描いていた奴に建築なんかできるか」と周りは冷ややかで、雑用係として2年を過ごした。ところがバブル期になって会社は猫の手も借りたいほどの忙しさ。私も猫の手としてプランづくりに挑戦させてもらったが、当時の私は建築基準法さえ知らなかった。それでも試行錯誤を重ねてプランをつくり、お客様にプレゼンテーションすると、漫才みたいなしゃべりもウケて、成約率は高かった。気づけば年間100件もの仕事を担当していた。
転機は、大きなプロジェクトを通して知り合った建築家・山本良介先生との出会いだった。プロジェクトが終了したあとも毎週、休日には山本先生の事務所に通って建築について教わった。
会社在職中に一級建築士資格を取得し、45歳で建築家として独立。今度は「住宅メーカーで設計していたぐらいの奴に何ができるんだ」という偏見との戦いが待っていた。メジャーな建築雑誌に私の手がけた建築が載り、いろいろな賞もいただいて、最近ようやく周りの見る目が変わってきたと感じている。
建築家は、設計思想が明確な建築の設計を目指して、クライアントの要望を達成するために知識を総動員する。そして、そのプロジェクトを通して新しい建築の可能性を社会に提案する仕事だと私は考えている。入会して8年目の今、職業奉仕に日々励みながら、栄えある京都R.C.に入会させていただいたことに心から感謝している。
京都ロータリークラブ
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