2018.10.24

「京都のひとづくり・まちづくり」
京都市長
門川 大作 氏

今夏は大変な猛暑が続いた。さらに大地震、豪雨、台風が相次ぎ、日本中が大きな被害に遭った。被災された皆様に謹んでお見舞いを申しあげると同時に、京都においても、今後に向けた対策をしっかりと講じねばならないと思う。

実は、祇園祭など祭礼の起源は自然災害との関わりが深い。例えば、祇園祭が始まった貞観年間には、越中越後地震(863)、富士山・阿蘇山噴火(864)、東北地方の巨大地震・大津波(869)など、日本中で天変地異が起こった。その折に帝が神泉苑に66本の矛を立て、亡くなった人たちの鎮魂と日本中の平安を祈られたのが祇園祭の始まりといわれる。

今、私たちには何ができるのか。異常気象の原因といわれる地球温暖化を防ぐ行動も、その一つだろう。「京都議定書」誕生の地・京都ならではの取り組みを続けていきたい。

さらには、2015年9月に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)に積極的に取り組んでいく。世界中の人々の幸せを願い、温暖化、貧困などSDGsに掲げられた17項目の課題解決に取り組むことが求められている。

今年は、明治150年にあたる。明治になって都が東京へうつり、京都の人口は34万から23万に激減した。都市存亡の危機に直面した先人たちは、日本で最初の番組小学校をつくり教育に力を入れた。京都帝国大学も誘致した。京都博覧会を開催し、琵琶湖疏水を造った。ひとづくりと文化芸術を基本に、持続可能な京都をつくっていったことがわかる。

私たちは先人に学び、学校教育を改革し、大学のまち・京都をさらに輝かせよう、文化芸術を大事にしていこう、という取り組みを進めつつある。

その中心には、1978年に京都市が掲げた「世界文化自由都市宣言」がある。「全世界のひとびとが、人種、宗教、社会体制の相違を超えて、平和のうちに、ここに自由につどい、自由な文化交流を行う都市(一部抜粋)」。このような考えに基づいて都市経営を進めている。

そして文化庁が、機能を強化して京都に移転してくる。京都のまち全体を文化庁のサテライトとし、京都に伝わる日本の心を大事にしながら、文化を基軸に持続可能なまちづくりを進めたい。

皆様とともに、歴史に学び、今を見据え、未来社会をデザインしていきたいと考えている。

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