2018.9.19

― 新会員スピーチ ―
「石村亭と谷崎潤一郎」
日新電機(株) 代表取締役会長
小畑 英明 君

私は、昨年11月に水原先生、山口俊弘様のご推薦で入会させて頂きました。

さて、石村亭は糺の森の東隣にある屋敷で、昭和24年から7年間、谷崎潤一郎が住み、「鍵」や「新訳源氏物語」を執筆しました。日新電機は谷崎さんから、彼が好んだ趣を持ち続ける事を条件に譲り受け、爾来60余年その約束を守り続けています。

谷崎にとって石村亭の時代は「細雪」が売れ、文化勲章を受章した全盛期です。その全盛期を谷崎と一緒につくり、支えたのが三人目の奥さんの松子さんです。「細雪」は松子さん姉妹がモデルの小説。松子さんは谷崎に文学的刺激を与え続けた才女でした。

石村亭にはドナルド・キーン先生も来られました。先生はノーベル文学賞候補として谷崎・川端・三島を推薦した事で有名です。谷崎は受賞する前に亡くなり、川端が初めて受賞。三島も自ら命を絶ちさえしなければ必ずもらえた、彼は天才でしたからと仰っていました。

長く生きればそれだけ良いことがあるということ。皆様もご自愛され、益々良いことに巡り会われるようお祈りします。

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