2018.9.5

― 新会員スピーチ ―
「『3・11の回想』~私にとっての東日本大震災」
三井住友海上火災保険(株) 京都支店長
桑田 周一 君

私の生まれは清水の茶碗坂です。幼少の頃は、よくお滝(音羽の滝)の裏山に登り、カブトやクワガタを獲ったものです。

その後、転勤族だった父について転校を重ね、また私自身も損害保険会社に就職し転勤族となり全国をまわり、生まれてこの方、引越しは14回を数えます。そんな中で忘れることが出来ないのが、岩手勤務の記憶です。盛岡R.C.では京都と岩手の縁の深さについて学びました(清水寺と阿弖流為のこと、伏見のお酒と南部杜氏のこと等)。

さて私は2011年4月1日に岩手に赴任しました。そうです。東日本大震災(3・11)の20日後です。空港を出てまず目に飛び込んだのはガソリンスタンドでの給油待ちの車列。そして翌日からは被災した沿岸部に入りました。目を覆わんばかりの瓦礫の山に言葉が出なかったことを今でも覚えています。マグニチュード9・震度7・津波の高さ9.3m以上・最大遡上高40.1mの威力は凄まじいものでした。地上3・4階建ての建物は波にぶち抜かれ、大型貨物船も港の突堤の上に置き去り。それからの約1年は、損害保険の仕事に携わる者としての使命感に駆られ、かつてない緊張感と集中力で保険金の早期支払いに努めました(損保全社での支払い約78万件、1兆2300億)。どんな異例対応を行ったかというと・・・①空写真・衛星写真による一括全損認定 ②金融機関により保険金に設定されている質権の一括解除等々です。

その結果、発災から約7か月後での支払い解決率は99.3%まで達することが出来ました。発災直後の一面の瓦礫の山は半年後には綺麗に片づけられ、一旦更地のような装いとなり、そしてその後、夏草が全て覆い隠し、そこは昔から何もなかったかのような一面の草原に・・・。そして今またそこに街が興っています。日本人の力強さを感じずにはいられません。

損保協会では生活再建の一助としての地震保険の普及に努めております。京都府の加入率は30.4%と決して高くない直近のデータがあります。先般は大阪府北部地震もあり、また昨今の台風・集中豪雨被害もかつてとは異なる勢いです。

是非、万一の備えは万全に。

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