2018.6.6

― 新会員スピーチ ―
「京都駅の歴史」
西日本旅客鉄道(株) 執行役員 近畿統括本部 京都支社長
三輪 正稔 君

1872年(明治5年)10月に新橋・横浜で鉄道が開業しました。京都駅は、その5年後1877年(明治10年)に、赤煉瓦造り二階建ての駅舎として完成しました。同年2月5日の開業式は、明治天皇を迎えて盛大に執り行われました。開業当時、京都から大阪までの所要時間は1時間40分、1日6往復の運行でした。

初代駅舎は七条通りに近かったことから、市民から「ひっちょのステンショ」との愛称で呼ばれました。

明治末、京都駅は乗降客が年間400万人となり、1910年秋、政府により京都駅の改築が決定します。そのような中、明治天皇が崩御され、1914年の大正天皇の即位式に合わせるべく、二代目京都駅が1914年8月に竣工しました。実際の工期はわずか10ヶ月でした。二代目駅舎は初代駅より140mほど南に移して建設されました。

二代目駅舎は大正・昭和と二度の御大典をつとめ、戦争にも焼け残りましたが、1950年11月に出火し全焼してしまいました。多数の方々から火事見舞い、消火活動の慰安を受けたことが伝えられています。

三代目駅舎は1952年5月、二代目駅舎の焼失から1年半というスピードで完成しました。30mの八階建ての塔を有し、烏丸通に面していたため、開業当時、四条辺りからも見付けることができたと言われています。

1964年には夢の新幹線が開業し、南口は新幹線八条口となって一新するなどしましたが、次第に老朽化が目立ち始めます。1983年、京都市から国鉄に京都駅改築要請があり、その後改築に向けて関係者間での協議が始まりました。駅舎デザインの決定に際しては、国際的なコンペを開催しました。審査の結果、原廣司氏の案が採用され、駅機能を維持させたまま同じ場所での建て替えとなり、1997年9月、4年の歳月を経て完成しました。

京都駅は、現在、1日当たり約40万人のお客様にご利用いただいていますが、1987年のJR発足時の約2倍、関西の主要駅では圧倒的な増加率となっています。改めて、内外の方々を惹き付ける京都という都市の凄さを感じます。

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