2018.5.30

「四つのテストと真言密教(日本のロータリーの源流)」
高野山真言宗 高家寺 住職
岐阜エトスロータリークラブ 公共イメージ委員長
北川 宥智 師

真言密教は、祈りを繰り返すことで、自分自身が仏であると自覚し、慈悲の心を深め、様々な方法をもってする慈悲(奉仕)の活動を究極とします。例会に毎週参加し、職業人として高い倫理観を身に着け、自らの職業の技能などをもって奉仕活動をするロータリーと、共通性が高いと感じています。

中でも四つのテストは注目です。四つのテストの題と前文は、The Four-Way Test of the things we think, say or do. 直訳すると「私たちが考え、話し、または行うことの4つのテスト」です。名訳である和訳は「四つのテスト 言行はこれに照らしてから」とされ、「考える」が記されていません。つまり「言行」という言葉の中に「考える」ことが含まれていることは忘れてはなりません。このthink, say or doは、身口意の三密という真言密教の教えと共通しています。

また、四つのテストと金剛界四仏はとても良く似ています。空海こと弘法大師の真言密教の中心の一つが、四仏の思想です。「真実か どうか」真実を映す阿閦如来。「みんなに公平か」平等性と奉仕を司る宝生如来。「好意と友情を深めるか」違いを見出すからこそ慈愛・寛容・善友を司る阿弥陀如来。「みんなのためになるかどうか」自他ともに有益なる行動の不空成就如来。

四仏と四つのテストは意味ばかりでなく、順番までも同じです。ハーバート J.テーラーが真言密教を知っているはずもありません。共に普遍的な哲学性を有しているのでしょう。

平安時代から日本には、真言密教という基盤があります。無意識レヴェルで、四つのテスト、ひいてはロータリーの理念が日本人に深く染み込んできました。日本には京都を中心にロータリーの理念が空気のように存続していると言えます。京都ロータリークラブは、実質上は世界で最も古いロータリー精神の伝統を受け継ぐクラブ。だからこそ、決議23-34を死守されている世界のロータリークラブのお手本でもあります。

多くのロータリアンが世界の変容に流されても、京都クラブを中心に心の燈火を点し続けることが、次の世代への真のロータリー精神の継承ではないでしょうか。

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