2017.12.13

「京都の未来と京都大学経営管理大学院の挑戦」
京都大学経営管理大学院 院長
京都大学経営管理研究部 教授・経済学研究科 教授
若林 靖永 氏

ビジネスは顧客の創造であるというマーケティングの視点から京都の未来について、「観光」「商業」「伝統産業」「景観」四つの言葉からひも解いてまいります。

まず「観光」では、年間5千万人も観光客を集め、海外の観光業界からも高い評価を受けています。現在では300万人の宿泊者を集め、その経済は1兆円を超えています。その結果商業地域の地価の上昇で、ファミリー層の郊外流出と言うマイナス面もありますが、京都ならではの伝統文化に触れさせ、精神性の追求に根差した観光を目指すことが大切だと考えます。

「商業」については、それまで個別の商店街にスポットを当てていたものを、京都のかたちを担うビジョンを設け、商店街・地域・大学の連携を行い、京都ぐるみで文化と歴史を発信し、京都のかたちを担う伝統産業を目指します。

また「伝統産業」では、既に始まっている伝統産業の弱体化は、俄かには回復できなくとも、必ず未来に繋げていかなくてはなりません。伝統産業の担い手の育成・イノベーション・文化観光・未来の消費者の創造を行わなくてはなりません。

そして「景観」では、他都市とは異なる景観・風土をより進め、目に見えない京都のかたち、付加価値をより高め、京都の格を高めることが大切だと考えます。

私ども、京都大学経営管理大学院では、経済産業省等の支援を受けて、既設のサービス価値創造プログラムを、このような課題・機会に取り組む俯瞰的視野を持った経営人材を育成するサービス&ホスピタリティプログラムへと発展、拡充いたします。そして、インバウンド観光客が急拡大するなかで、観光が成長産業として、そして地域振興策として重要視されています。本大学院は観光庁の支援を受け、新たに観光経営科学コースを設けて、観光分野に関わる企業、行政機関および非営利組織(DMO)の経営高度化に有用な経営管理についての高度な知識と応用力を持つ人材の育成に取り組んで参ります。 

新たな価値を自ら創造して 産業界・社会に提案し ともに人財育成・教育を通じて 社会に貢献する 「愛と力」の双方を併せ持つ 人間教育を目指して

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