2017.9.13

「世界に誇るレジリエント・シティに向けて」
レジリエント・シティ 京都市統括監
藤田 裕之 氏

昨今の私たちが生きている時代は世界情勢を見ても北朝鮮のミサイル問題や災害、テロ、地震等、いつ突然襲ってくるかもしれない外的なリスクがある一方で、右肩下がりの時代突入による人口減少社会や超高齢社会、格差社会の広がり、地域コミュニティの希薄化等、社会の根底を揺るがすような内的リスクをかかえています。こうした突然襲ってくる「外的ショック」と、じわじわ忍び寄る「内的ストレス」の両方に対し、50年後100年後を見据えた都市の在り方を考えていこうというのがレジリエント・シティの取り組みです。

ロックフェラー財団が世界に呼びかけ募集した「100のレジリエント・シテイ」に約1100の都市が応募し、その中で京都市が選ばれました。

レジリエンス(Resilience)とは、元々は押し込まれた物体が元に戻っていく力、復元力を意味しますが、これを都市の在り方に置き換え提唱されたのが「レジリエント・シティ」で直訳すると「強靭さ(しなやかな強さ)を備えた都市」です。

明治維新で京都の人口は約3分の2に落ち込みましたが、当時の町衆の地域に対する絆、文化に対する愛着や自負等によって京都は活気に満ちた存在にレジリエンスしたのです。

現在の京都にも様々な「強み」がありますが、これから20年、50年先もそれが「強み」として残っているかを考える必要があります。その時避けて通れない大きな課題が「急激な人口減少社会の突入」です。若者が希望をもって子供を授かれる社会にしていく少子化対策は必要ですが、人口が減少しても人々が心豊かに生き生きと暮らせるまちにするために、何を今すぐしなければならないかを考えながら、50年、100年という長期的なスパンで先を見通した取り組みをどのようにしていくのか、そして人口が減っていく最中に襲ってくるかもしれない大きな災害や突発的な事象にどう対処するのかがレジリエンスの課題です。そのためには思い切ったパラダイムや価値観の転換、行動様式の変換が必要ですが、すぐにできることではないので、レジリエンスを合言葉に、10年、20年と取り組みを積み重ね、合意形成をしていくことが大切です。

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