2017.9.6

― 新会員スピーチ ―
「新入社員・若手社員の特徴とその背景」
野村證券(株) 京都支店 支店長
杉山 剛 君

どの時代にも新人類と呼ばれる世代はありますが、これほどまでに価値観が多様化して、従来の日本型の育成、教育が難しくなっている現状にどの企業も頭を悩ませているものと思います。

企業側の悩みとして、育成の三重苦問題があげられます。まず、(1)<伸び悩み、なかなか思うように育たない・・>企業の約71%はこの新入社員・若手社員の伸び悩みが課題である、と回答しています。次に(2)<早期離職>です。大卒の3年以内の離職率は30%に上ります。年功序列で組織されている企業にとっては、どんなに愛情を持って育てても次々と辞めていってしまう、これでは組織が維持できません。最後に、(3)<メンタル不全>です。今や職場の14%で発生し、65%の企業が新型の鬱の社員を抱えているのが現状です。

では、今の若い社員がだらしないのか?実はそうではなく、社会の変化から<育成の構造不況>が生じていることに向き合う必要があります。<育成の構造不況>は、IT化、グローバル化によって何事にもスピードが高まり、長続きしない、時間がない、自分のことで精いっぱい、今までの経験が通用しない、など働く環境で<仕事の変化>と<職場の変化>が起きていることが原因と考えられます。

ミレニアル世代(1980年代半ばから2000年くらいまでに生まれた世代)の仕事へのモチベーション要因の変化には驚くべきものがあります。

この世代の仕事に対して、(働く動機)にならないワースト3は、(1)お金(2)責任、自主性 (3)権力、名声。一方、(働く動機)となるベスト3は、(1)社会貢献(2)自己成長(3)家族という調査があります。(先進国85万人対象)

これだけを見ても、仕事に対する価値観は大きく変化してきております。会社で社員をマネジメントする立場の人間として、このような流れであることは十分に理解する必要があります。我々自身の当たり前も少しずつ時代にあわせていきながら、若い人たちとたくさんのコミュニケーションを取り、お互いにとって働きやすい環境を一緒に作っていくという意識を持って、一人一人を大切に成長させていきたいと思います。

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