2017.6.21

「ラグビーと夢」
関西ラグビー協会 会長
大阪体育大学 名誉教授
坂田 好弘 氏

洛北高校、合格発表の日。私は、卵形のボールを手にグラウンドを駆け回る人たちを見てラグビーに惹かれた。すぐに部室を訪ね、入学式よりも前にラグビー部員になった。

1週間後、ラグビー部の部長先生に「あす試合だ」と言われた。「何をしたらいいですか」と尋ねると、「簡単や。ボールを持ったら走れ。それと、ボールを持っている者がいたら捕まえろ。この二つでラグビーはできる」。私は、この教えだけを頼りに初めての試合に臨んだ。試合中、味方の蹴ったボールが私の目の前でうまい具合にバウンドした。それを掴んで、ひたすら走った。すると「押さえろ」という指示が飛んできた。「押さえるなんて聞いてない」と思いながら、ボールを地面に押さえつけた。初トライだった。

こうしてラグビーに出会い、同志社大学から近鉄へ。幸運にも常に強いチームに所属した。タイミングに恵まれたと思う。17年の現役生活の間に六度、日本一を経験した。

ラグビーは長い間、アマチュアだけのスポーツだった。1995年にプロもアマも認めるオープン化が宣言された。その後、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカはじめ、各国で選手のプロ化が進んだ。国の代表チームも全員がプロ選手という国が増えている。日本はまだそのような環境になく、世界の強豪と戦うには厳しい状況にある。だが、2015年のワールドカップでは、日本代表チームが強豪の南アフリカを破って、世界を驚かせた。

2019年、ラグビーワールドカップが日本で開催される。今年5月には、1次リーグ組合せ抽選会が京都の迎賓館で開かれた。抽選会の前には下鴨神社へ参拝。来日した関係者にフットボールのルーツ「蹴鞠」の実演を披露した。下鴨神社が関西のラグビー発祥の地であることを示す石碑も紹介した。ワールドカップを観戦に日本へ行きたい、と思わせるような情報を京都から世界へ向けて発信できたと思う。

ワールドカップを機に、何かレガシー(遺産)を残したい。私の夢は、日本全国に3、4カ所、ラグビー場を残すことだ。その実現に向けた運動を進めていきたい。ラグビー振興のために皆さまのご協力をお願いする。

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