2017.6.14

「NHK番組『ブラタモリ』制作の舞台裏」
NHK制作局専任部長
山名 啓雄 氏

「ブラタモリ」は、タレントのタモリさんが街歩きをしながら、その地域の歴史とか暮らしを掘り起こしていく番組だ。最初は、東京近辺を散策する、不定期の番組としてスタートした。

「第4シリーズ」と呼ぶ現在の番組では、ロケ地を全国へ広げた。毎週土曜日19時半から放送するレギュラー番組として3年目に入っている。今年4月には「清水寺」「祇園」を放映した。京都がテーマの時は視聴率が高い。

第4シリーズから内容を一新した。番組の冒頭に、タモカメ(タモリさんに似たカメのぬいぐるみを乗せたカメラ)が「タモテバコ」という箱をもって登場する。タモカメが旅のお題を言い渡し、タモリさんと女性アナウンサー(現在は近江友里恵アナ)がいろいろな場所を巡りながら、お題をひもといていく流れにした。ロゴの色は、日本全国を巡る新シリーズに相応しく日の丸をイメージした白と赤に変えた。ドローンを多用した映像も見どころだと思う。

番組では、断層好きのタモリさんと解説者の専門家が、古地図を手に地形の話などをしながら歩く。「地質とか地形は、その地域に暮らしている人に、暮らすための工夫を何か生みださせている。それを理解すると、人々の営みについて深く理解できる」とタモリさんは言う。

タモリさんと女性アナウンサーには、どこに行くか事前に知らせていない。だから予習はできない。ロケの現場で初めていろいろなことを見聞きすることになる。タモリさんは専門家の質問に的確に答えることが多いが、カンペはもちろん無い。彼の知識の広さ深さに私たちも驚かされる。そのタモリさんが知らない面白い情報を、事前取材で拾いあげてくるのが、ディレクターの頑張りどころでもある。

番組作りにおいて大切にしているポイントが三つある。一つはアドベンチャーだ。タモリさんがいろいろなことに挑戦する。それから一般の人が入れない場所にお邪魔すること。「祇園」の時には八坂神社の本殿に入れていただいた。さらには、タモリさんにとにかく気づいてもらうこと。タモリさんの「これ、おもしろい」という気づきが伝われば、視聴者の皆さんに楽しく見ていただける番組になると考えている。これからも「ブラタモリ」をよろしくお願いします。

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