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2017.5.31

― 新会員スピーチ ―
「わたしがNHKに入った訳」
日本放送協会(NHK)京都放送局 局長
寺井 友秀 君

島根県西部の益田市という小さな町で育った私は、小さいころからテレビやラジオを通じて日本や世界を見てきました。特にテレビは、そこから何でも飛び出してくる、いわば「魔法の箱」でした。小さいときから「大河ドラマ」は正座してみるものと思っていました。高校3年のとき、小さい頃からの夢であった1年のアメリカ留学を実現。当時、田舎から東京に行くのも、アメリカに行くのも、遠いところに行く感覚としてあまり変わらなかった記憶があります。大学では音楽学を学び、クラシック音楽を扱うテレビ局はNHKしかなかったので、音楽番組をやりたい希望を述べ、NHKに入ることができました。初任地が奈良だったために、歴史、考古学、神社仏閣、美術を扱う番組ばかりをやらされ、24年間の現場人生では、いつのまにか歴史番組が専門になっていた、というのが真実です。モンゴル帝国、秦の始皇帝、ブッダ、世界遺産といった番組との出会いは生涯の宝物となっています。