2015.5.20
「犯罪のない安全・安心なまちづくり」
京都府警察本部長
山下 史雄 氏
良好な治安は、人々の暮らしや企業の経済活動を支える重要な基盤です。府内の犯罪件数は年々減少して昨年は平成14年のピーク時の半数以下となりましたが、府警が実施したアンケート調査では、自分や家族が何らかの犯罪被害に巻き込まれるかも知れないと不安を感じている方は回答者の6割近くに上り、しかもここ数年増加傾向にあります。指数治安は大きく改善しましたが、体感治安は改善していないのです。
その背景には、自転車盗や子供や女性を狙った性犯罪など府民の身近で起こる犯罪が依然多発していること、高齢者を狙った特殊詐欺やサイバー空間における犯罪など今までにはなかった形態の犯罪が増加していることなどの要因が挙げられます。
犯罪を減らすには、①犯罪を企図する者、②犯罪の対象となる被害者、③犯罪が起きる環境の3つに対するアプローチが必要です。既に犯行を犯した者を警察が厳正に取り締まることは当然ですが、犯罪者を生まない取組、例えば、少年の非行防止活動や非行少年の立ち直り支援活動も重要です。また、被害に遭うおそれのある方々に安全情報を提供して、自分の身を守ってもらうことが大切です。お年寄りが振り込め詐欺の被害に遭わないための「オール京都」の取組が必要です。更に、犯罪者に犯行を許さない環境を社会ぐるみでつくっていくことです。犯罪者は美しく人々の目が行き届いたまちを嫌います。
京都府警は引き続き治安対策に全力で取り組んでまいりますが、警察と自治体、関係団体、企業、学校、ボランティア等が連携・協働した「犯罪のない安全・安心なまちづくり」が重要です。昨年、京都府警と京都市は、2020年(東京オリンピック)の安全を目指した治安協定を結びました。交番を中核として京都の強みである地域防犯力を強化するとともに、街の「安全インフラ」整備を促進してまいります。子供の登下校時の見守り、門灯の終夜点灯、街頭防犯カメラの整備などに、ロータリークラブの会員の皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
一方、サイバー空間では、標的型メールやネットバンキングでの被害が増加しています。個人も企業も最新のネットセキュリティ対策を心掛けて下さい。
「安全」に関するお尋ねや困ったことは、お気軽に警察にご相談下さい。
警察総合相談室 075-414-0110
(短縮ダイヤル・♯9110)にご連絡下さい。
京都ロータリークラブ
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