2015.5.13

―新会員スピーチ―
「東本願寺の歴史―烏丸の地に400年―」
真宗大谷派 宗務所 参務(財務長)
富田 泰成 君

東本願寺の正式名称は「真宗本廟」と言い、親鸞聖人を宗祖とする真宗大谷派の本山です。聖人亡き後、東山に廟堂を建立して聖人の影像を安置したことが本願寺の始まりです。今日に至るまで、聖人のもとにつどい、浄土真宗の教えに生きる数え切れないほどの人々によって相続されてきました。

1602年、12代教如上人が徳川家康より烏丸の地を寄進され、東本願寺を創立しました。境内には2つの大きな御堂があり、御影堂には宗祖親鸞聖人の御真影、阿弥陀堂にはご本尊の阿弥陀如来が安置されています。両堂のほか、何れも明治期に再建された諸殿があり、近代和風建築として高い評価を受けています。

創立後、4度に亘る焼失と再建の歴史を重ねてきました。蛤御門の変で焼失の後、再建され、現在の姿になったのは1895年。全国のご門徒の並々ならぬご尽力のもと、再建が成し遂げられました。

それから120年余り、宗祖親鸞聖人750回御遠忌記念事業として、2003年から御修復事業が行われています。御影堂は2008年に修復が完了し、阿弥陀堂と御影堂門は2012年から修復が始まり、2015年末に完了予定です。

烏丸通を挟み東側には、第3代将軍徳川家光より寄進された土地に造営された池泉回遊式庭園「渉成園」があります。四季折々の草花と建物の織りなす景観は「渉成園十三景」と称され、今も造園当初の趣を残しています。

明治期の再建のおり、琵琶湖疏水から独自に本願寺水道を設けて導水し、再び火災で焼失することがないよう備えました。現在は管の老朽化により止水しています。歴史遺産としての価値はもちろん、水道を復活させ、東本願寺前緑地帯に水の空間を作り、市民の憩いの場を作りたいという願いのもと、NPO法人「東本願寺と環境を考える市民プロジェクト」が中心となり、市民を対象に本願寺水道に関するイベントや学習会を実施しています。

東本願寺のある京都駅周辺は、京都を訪れる皆様を最初に温かくお迎えするエリアです。これからも地域の活性に貢献し、地域と共に生きる東本願寺でありたいと思っています。

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