2014.10.8

「美酒・美食の歓び」
日本ソムリエ協会 会長
岡 昌治 氏

1964年の東京五輪を前に、レストランやバンケットのマネージャーたちが、世界中から来日するお客様にどのようにワインをサービスすればよいか、と勉強会を始めた。「飲料販売促進研究会」と名付けられた。76年に「日本ソムリエ協会」と改称、85年に社団法人になった。現在、プロとアマを合わせて個人会員およそ1万人。賛助会員がお酒の会社など約250社。勉強会などを開き、ワインの普及に努めている。協会では、「ソムリエ」「ワインアドバイザー」「ワインエキスパート」などの呼称資格認定試験のほか、「ワイン検定」も実施している。

「ソムリエ」とは「ワインを生業として云々」と厚生労働省の職業分類に認定されている。しかし最近、野菜やコメにも「ソムリエ」の呼称が使われるようになった。そこで協会ではワインのソムリエを「JSA(Japan Sommelier Association)ソムリエ」と呼ぶことに決めて、特許庁に登録した。

私は43年前、コックを志望して新大阪ホテル(現・リーガロイヤルホテル大阪)に入社した。ところが当時は新入社員の9割がコック志望で、待機を命じられ、サービスの仕事に携わっているうちに、おもしろくなって、ソムリエの道に入った。それからおよそ40年。サービスの世界でたくさんの人と出会い、勉強させていただいた。美味しいお酒や美味しい食事とともに過ごしてきた。ただし「美味しい」とは、食べる人にとって美味しいかどうかであって、私たちは提案する側に過ぎない。

時代が移り変わり、食の世界にもさまざまなブームがやってくる。お酒では、地酒や焼酎のブームがあったし、デザートとしてはティラミスが一時、ブームになった。高級な飲食に散財したバブル期もあった。赤ワインが健康に良い、とワイン人気が高まった。そうした変遷を経て人々は、新しい美酒や美食を知り、美味しいものをさらに求めるようになる。それが、さまざまな飲食分野を成熟させてきた。

日本には、伏見の日本酒など美酒がたくさんある。京料理など美味しい食も限りない。ぜひ、美酒と美食をお楽しみいただきたいと思う。

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