2014.10.1
― 米山月間に因んで ―
「漢字文化について感じたこと」
米山奨学生
郭 静 さん
日本と中国は同じ漢字文化圏の国、儒教仏教文化の国です。両国は2000年にわたる文化交流の歴史があって、お互いに深い影響を与え合ってきました。私たちは漢字を理解しますし、日本語・中国語の間に多くの共通する単語があります。しかし、同じ漢字文化圏と言っても、同じようであって同じではありません。
中国の広州に行ったことがある人ならきっと「広州」の「広」の字を疑問に思われたと思います。「広州」の「広」の字の中のムがないのです。中国語の漢字には大きく2種類の漢字があります。一つは簡体字といい、北京を始め中国全土で最も使用されているスタンダードな漢字です。シンガポールやマレーシアなどでも使っています。これに対して、台湾や香港などの一部の地域で使用されている伝統的なタイプの漢字が繁体字です。日本では繁体字を使っていますので、日本人にとっては台湾や香港の漢字のほうが分かりやすいと思います。
簡体化された漢字の例:
廣---广 聴---听 衛---卫 愛---爱
「廣」の字の中の「黄」が無くなりました。これはまだ何となく分かるでしょうが、次の「聴」と「衛」の漢字は全く別の字になってしまいました。最後の「愛」という字ですが、心がなくなっていますね。心がないと愛とは言えないと思うのですが、実は中国の学者の間でも簡体字から繁体字に戻そうという意見がかなりあります。
しかし全部が簡略化されたわけではなく、逆に日本の漢字にも少し簡略化されたものがあります。
漢字の例:
仮---假 蔵---藏 桜---樱
普段何気なく使っている漢字ですが、中国にいた時は、漢字について深くは考えませんでした。日本に来てから漢字に対して再認識させられました。日本に来て本当によかったと思います。日中両国の文化の相違点を理解し、身を持って体験し感じた日本を中国に伝えて、生まれ育ててくれた中国を日本に発信していきたいと思います。日中の友好関係がより深く築けることを願って、微力ながらも努力したいと思います。
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