2011.9.28
「東京スカイツリー」
(株)大林組 大阪本店 生産技術課長
古城 雄一 氏
東京スカイツリーは、2008年7月に着工し、竣工は2012年2月を予定しています。高さ634mで自立式電波塔としては世界一の高さです。商業施設やプラネタリウムなどが入る西街区、オフィスや商業施設が入る東街区、その中央にスカイツリーがあり、敷地面積約36,900㎡の東京スカイツリータウンが構成されます。
建築主から提示されたテーマは、時空を越えたランドスケープ。デザインには、そり、むくり、心柱といった日本の伝統建築の考え方が取り入れられ、一番下が三角形で上に向かって円形に近づく形が特徴です。2つの展望台があり、第2展望台にはガラス張りの通路が設置され、関東平野が一望でき、花火も下に見えます。
構造上の特徴としては、足下部の直径と高さの比率が1 : 9.3と非常に細長くなっており、揺れやすくなっています。そこで、足下部については、大林組が開発したナックル・ウォールという技術を取り入れ、地下には節のついた壁状の杭が固定されています。また、五重塔の心柱からヒントを得て、タワー中心部に鉄筋コンクリート造の円筒を設置し、タワー本体と連結されるオイルダンパーが揺れを吸収して、全体の揺れを押さえる制振システムを採用、頂部にもTMDという制振装置が設置されています。
建築にあたっては、新たに420mの高さまでつり上げることができるクレーンや、荷物が受ける風の影響をコンピューターで解析し、その回転などを押さえる仕組みを開発しました。垂直精度をあげるため、敷地外に基準点を設けてGPSによる測定、コンピューター解析によってミリ単位での精度を確保し、日射や風の影響による傾きの変化にも対応しました。
3月11日の東日本大震災では、4~6mの揺れがありましたが、大きな影響はなく、ほどなく予定高さに達し、現在は内装や設備工事をすすめているところです。オープンは2012年5月22日と決定していますので、是非足を運んでいただきたいと思います。
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